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乾太くんの容量と寸法|失敗しない選び方と設置の全知識

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※本記事は一般的な情報を基に執筆しています。設置工事の可否や正確な費用、ガスの契約種別による料金については、必ずお住まいの地域の専門ガス会社や施工業者にご確認ください。

乾太くんの導入を検討し始めると、多くの人が最初にぶつかる壁があります。それは、容量と寸法の問題です。我が家の洗面所に本当に置けるのか、そしてどのサイズを選べば後悔しないのか、カタログを見れば見るほど悩んでしまいますよね。

実は私自身も導入前はメジャーを片手に脱衣所を何度も往復し、数センチの隙間に一喜一憂した経験があります。決して安い買い物ではないからこそ、サイズ選びや設置計画で失敗したくないと考えるのは当然のことです。

特にマンションやリフォームでの導入では、数ミリの差が設置の可否を分けることも珍しくありません。だからこそ、表面的なスペックだけでなく、実際の使い勝手や設置現場のリアルな事情を知っておくことが大切です。

この記事では、カタログの数字だけでは見えてこない、実際の暮らしに即したサイズ選びの基準や、設置現場で起こりがちな干渉トラブルについて、私の経験とリサーチをもとに詳しく解説していきます。

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記事のポイント

  • 家族構成やライフスタイルに合わせた最適な容量の選び方
  • 設置に必要なスペースと見落としがちな離隔距離の詳細
  • 洗濯機の蓋や水栓との干渉を防ぐ具体的なシミュレーション
  • 導入後に後悔しないための動線やメンテナンススペースの確認

失敗しない乾太くんの容量と寸法の選び方

乾太くんを選ぶ際、まず決めなければならないのが「モデル(タイプ)」と「容量」です。しかし、単に「大は小を兼ねる」で選んでしまうと、洗面所が窮屈になったり、逆に予算オーバーになったりしてしまいます。

ここでは、生活スタイルと物理的な制約の両面から、あなたにベストな一台を見つけるための基準をお話しします。実は、容量選びは単なる洗濯物の重さだけでなく、「何を洗いたいか」という目的意識が非常に重要になってくるのです。

5kgと8kgの違いと容量の目安

多くの方が迷われるのが、スタンダードタイプの「5kg」にするか「8kg」にするかという点です。初めて検討される方は「うちは家族が少ないから5kgで十分かな?」と考えがちですが、ここにはカタログスペックだけでは分からない大きな落とし穴があります。

まず寸法的な事実として、この2つのモデルは正面から見た時の高さ(684mm)と幅(650mm)は全く同じなのをご存知でしょうか。

違いは「奥行き」だけにあります。8kgタイプは5kgタイプに比べて、奥行きが約8cm長くなっています(5kg: 561mm vs 8kg: 641mm)。たった8cmと思うかもしれませんが、狭い脱衣所ではこの差が圧迫感や設置の可否に大きく影響します。

しかし、逆に言えば「奥行きさえ確保できれば、同じ横幅で1.6倍の容量が手に入る」ということでもあります。

容量高さ (mm)幅 (mm)奥行 (mm)おすすめ世帯毛布コース
スタンダード 5kg6846505611〜2人、スペース重視なし(※)
スタンダード 8kg6846506413〜4人、まとめ洗い派あり

容量選びの結論としては、「設置スペースが許すなら、迷わず8kg(またはそれ以上)」をおすすめします。理由は大きく分けて2つあります。

1つ目は、現代の洗濯事情とのギャップです。最近の洗濯機は8kg〜10kgクラスの大容量モデルが主流ですが、乾燥機が5kgだと、洗濯したものを一度に全部乾燥できず、結局分けて乾かす手間が発生してしまいます。

「洗濯から乾燥までノンストップ」という時短メリットを享受するためには、洗濯機と同等かそれ以上の乾燥容量が必要です。特にタオル類などは乾燥するとボリュームが増すため、数値以上のスペースを必要とします。

2つ目は、機能面での決定的な違いです。実は、スタンダード5kgモデルには専用の「シーツ/毛布コース」が搭載されていません(タイマー運転での対応は可能ですが、自動制御ではありません)。

一方、8kg以上のモデルにはこのコースが標準搭載されています。週末に家族全員分のシーツを洗ったり、冬場に毛布をケアしたりしたい場合、大きなドラムで回転させながら乾燥できる8kgモデルの方が、シワにならずふんわりとした仕上がりを実現できます。

設置スペースが本当にギリギリでない限り、8kgを選んでおいた方が、後々の満足度は格段に高くなるはずです。

デラックスとスタンダードの寸法比較

次に検討すべきは、機能性とデザインを極めた「デラックスタイプ」か、実用性とコストパフォーマンスに優れた「スタンダードタイプ」かです。ここでも寸法には微妙な、しかし生活の質を左右する重要な違いがあります。

デラックスタイプ(6kg/9kg)とスタンダードタイプ(5kg/8kg)を比較すると、幅は約3mm程度の差ですが、ここでも奥行きと「フィルターの位置」が大きな選定ポイントになります。

特にデラックス6kgモデル(RDT-63)は、奥行きが594mmと比較的コンパクトに設計されており、スタンダード5kg(561mm)とスタンダード8kg(641mm)のちょうど中間のサイズ感です。

「8kgは入らないけど、5kgでは機能に不満がある」という層にとって、このデラックス6kgは絶妙な選択肢となります。

ここがポイント!フィルター位置の違い

  • デラックス:ドアの裏側(手前)にスライド式のフィルターがあるため、扉を開ければすぐに掃除ができます。
  • スタンダード:ドラムの最奥部にフィルターがあります。洗濯機の上に設置した場合、踏み台を使わないと手が届かないケースが多いです。

特に、洗濯機の上に高い専用台を使って設置する場合、小柄な方だとスタンダードタイプの奥にあるフィルターまで手が届かない、あるいは毎回脚立が必要になるという事態が発生します。

フィルター掃除は基本的に「使うたび」に行うものです。毎日の作業にストレスを感じると、次第に乾燥機を使わなくなってしまう可能性すらあります。

寸法だけでなく、この「毎日のメンテナンスの動線」も考慮して選ぶのが、設置後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないための重要なコツです。予算に余裕があるなら、メンテナンス性の高いデラックスタイプを選ぶ価値は十分にあります。

詳しくはデラックスとスタンダードの違いを解説した記事も参考にしてみてください。

明るい洗面所に設置された二台の衣類乾燥機。左はデラックスタイプ、右はスタンダードタイプ。中央には大きな疑問符が描かれており、どちらを選ぶべきか悩んでいる様子を表現。
参考乾太くんデラックスとスタンダードの違い徹底比較!後悔しない選び方

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9kgモデルのサイズと設置の条件

大家族や洗濯物が極端に多いご家庭、あるいはスポーツをするお子さんがいる家庭にとって、デラックスタイプの9kgモデル(RDT-93)は、家事の時間を劇的に短縮してくれる最強のツールです。

しかし、その圧倒的なパワーと容量の代償として、導入にはいくつかの物理的なハードルがあります。

まず、本体重量が約42kgもあります。スタンダード8kgが33kgなので、約9kgも重くなっています。これは小学3〜4年生の子供一人分くらいの重量差です。そのため、設置する専用台や造作棚には十分な耐荷重が求められます。

特にリフォームで壁付けの棚を造作する場合、壁の下地補強が不十分だと落下の危険性があるため、必ず施工業者に「耐荷重60kg以上」を指定する必要があります。

また、奥行きも674mmと家庭用モデルとしては最大級です。一般的なマンションサイズの防水パン(内寸奥行き約600mm〜640mm)からはみ出す可能性が非常に高いです。

設置場所の足元スペースをしっかり計測する必要があるのはもちろんですが、盲点になりやすいのが「搬入経路」です。「入ると思ったけど、洗面所のドアを通らなかった」「廊下の曲がり角でつかえた」という失敗例も聞きます。

本体の幅は約65cmですが、梱包材を含めるとさらに大きくなりますし、作業員が手で持つためのスペースも必要です。9kgモデルを検討する場合は、設置場所だけでなく、玄関から洗面所までのルートも入念にチェックしてください。

設置に必要な離隔距離とスペース

「本体サイズ=必要なスペース」ではありません。乾太くんはガスを燃焼させて熱を生み出す機器なので、消防法や設置基準で定められた「可燃物からの離隔距離(クリアランス)」を厳守する必要があります。

これを無視して設置すると、火災の原因になるだけでなく、故障時のメーカー保証が受けられない可能性もあります。

タイプ上方左右(側方)合計必要幅の目安
デラックス30mm以上30mm以上本体幅 + 60mm
スタンダード45mm以上45mm以上本体幅 + 90mm

意外なことに、本体価格の安いスタンダードタイプの方が、断熱設計の違いから周囲に広い隙間(4.5cm)を必要とします。

例えば、幅75cmのスペースに設置しようとした場合、デラックスタイプなら余裕を持って収まりますが、スタンダードタイプだと左右のクリアランス確保がギリギリになってしまうことがあります。

ギリギリのスペースに押し込みたい場合、本体サイズだけでなく、この「必要離隔距離」を含めたトータル寸法で比較すると、デラックスタイプの方が収まりが良いケースもあるのです。

メーカーの設置説明書には「メンテナンススペース」として、上方30cm、側方10cmなどのより広い空間確保が推奨されていますが、日本の住宅事情では確保が難しいことも多いです。最低限、上記の「防火上の離隔距離」は絶対に守りましょう。不安な場合は、事前にガス会社や設置業者に現地調査を依頼するのが確実です。

洗濯機の蓋との干渉や高さの問題

縦型洗濯機を使っている方が、乾太くんの導入で最も頭を悩ませるのが、この「洗濯機の蓋」問題です。

洗濯機の上に専用台を使って乾太くんを設置する場合、「洗濯機の蓋を開けた時の高さ(折りたたみ高さ)」「専用台の下端(棚板の下)」がぶつからないように計算しなければなりません。

最近の大容量縦型洗濯機は、蓋が一枚板のガラストップだったり、大きく折れ曲がるタイプだったりと形状も様々で、蓋を開けると床からの高さが130cm〜140cmに達するものも珍しくありません。

この蓋を避けるために専用台を高く設定しすぎると、今度は乾太くんの投入口が高くなりすぎてしまいます。例えば、専用台の高さを138cmに設定すると、投入口の中心は床から約170cm付近になります。

これでは、身長160cm以下の女性だと、濡れて重たい洗濯物を持ち上げて奥まで入れるのが非常に困難になり、踏み台が必須になってしまいます。

私のおすすめは、事前にご自宅の洗濯機の「蓋を全開にした時の最高到達点」をメジャーで実測し、専用台の高さ設定(リンナイ純正台なら1150mm〜1380mmなどで調整可能)でクリアできるかシミュレーションすることです。

もしギリギリ干渉してしまいそうなら、蓋が中間で折れるタイプの洗濯機を選ぶか、思い切って高さの低いドラム式洗濯機への買い替えを検討するのも一つの手です。また、専用台ではなく造作棚にする場合は、棚板の厚みを考慮に入れることも忘れないでください。

乾太くんの容量や寸法を確認して導入へ

モデルと容量が決まったら、次は具体的な設置計画の詳細を詰めていきます。カタログ上の数字はあくまで「製品単体」のものです。実際の現場には、防水パン、水栓、窓、天井の梁など、様々な障害物が待ち受けています。

ここでは、現場レベルでの「寸法の落とし穴」と、それを回避するための解決策を深掘りしていきます。

専用台のサイズ調整と防水パン対応

多くのご家庭では、リンナイ純正の組み立て式専用台(高タイプ:DS-80HSFなど)を使用することになると思います。この専用台は、幅・高さ・奥行きがある程度調整できるように作られていますが、既存の防水パン(洗濯機の下にあるプラスチックの受け皿)との相性には注意が必要です。

特に一般的なマンションや戸建てで採用されている「640mm×640mm」の正方形防水パンの場合、専用台の脚がパンの内側に入りきらない、あるいはパンの縁(ふち)に乗ってしまうことがあります。

防水パンの縁は斜めになっていることが多く、そこに重い乾太くんを乗せた台の脚を置くのは不安定で非常に危険です。

解決策のヒント

専用台の脚を防水パンの「外側」にまたいで設置する方法があります。専用台の幅を最大まで広げれば、一般的な640mmパンを跨ぐことができます。ただし、パンの外側に左右それぞれ十分な床スペースがあるか、壁や洗面台との隙間があるかを確認が必要です。

もし防水パンの内側にも外側にも脚が置けない場合は、防水パン自体を撤去してフラットな排水トラップに交換する工事や、特注の造作棚を作るなどの対策が必要になります。

また、専用台の脚が防水パンを跨ぐ場合、防水パンの高さによっては、専用台の最下部のバー(補強材)が洗濯機や排水ホースと干渉しないかも確認ポイントになります。詳しくは専用台の選び方と設置パターンの記事で詳しく解説しています。

永大産業の乾太くん専用台|高さや寸法と後悔しない選び方
参考永大産業の乾太くん専用台|高さや寸法と後悔しない選び方

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扉を開けた時の奥行きと動線確認

寸法検討で見落としがちなのが、「扉を全開にした時の実効奥行き(Depth with Door Open)」です。例えば、デラックスタイプの本体奥行きは約67cmですが、これに扉の幅約65cmが加わります。

つまり、扉を全開にすると壁から約132cm以上飛び出すことになるのです。

洗面所の通路幅が狭い場合や、乾太くんの対面に洗面化粧台がある場合、洗濯物を出し入れしようとして扉を開けると、通路が完全に塞がれてしまい、自分が立つスペースすらなくなってしまう可能性があります。

「設置はできたけど、使うときはカニ歩きしないといけない」なんてことにならないよう注意が必要です。

幸い、乾太くんは設置時に業者さんに依頼すれば、ドアの開き方向(右開き・左開き)を変更できます(デラックス・スタンダード共に)。

壁の位置や、洗濯機から洗濯物を移すときの手の動きに合わせて、どちらに開くのがスムーズか、事前にイメージしておきましょう。一般的には、壁側に開くように設定すると、開放感を保ちやすくなります。

排湿管の立ち上がり寸法と工事

乾太くんの上部には、衣類から出た湿気を含んだ温風を屋外に排出するための「排湿管(直径80mmまたは100mmの煙突のようなダクト)」を取り付ける必要があります。

本体の高さだけでなく、この排湿管が立ち上がるためのスペース(本体上部+約15cm〜20cm)を天井との間に確保しなければなりません。

「本体が入る高さがあるから大丈夫」と思っていても、この排湿管スペースを忘れていて設置不可になるケースがあります。特に、排湿管を壁の穴に向かって曲げるための「エルボ」という部材を使う場合、その曲がり角までの距離も計算に入れる必要があります。

天井に梁(はり)が出ている場合や、吊り戸棚がある場合は、排湿管が物理的に干渉しないか、あるいは排湿管を通すルートが確保できるか、入念なチェックが必要です。(出典:リンナイ公式サイト『乾太くん設置サポート』

設置の失敗や後悔を防ぐポイント

最後に、寸法以外でよくある「設置の失敗」を防ぐためのチェックリストを共有します。これらは私が多くのユーザーの声を聞く中で頻出したトラブル事例です。

  • 水栓の位置:洗濯機用の蛇口が、専用台の脚や筋交い、あるいは乾太くん本体とぶつかるケースが多発しています。特に壁から出ている水栓の位置が高い場合や、横に飛び出している場合は要注意です。水栓の位置をずらす「偏心管」の使用や、壁配管の移設工事が必要になることもあります。
  • ガス栓とコンセント:乾太くんの設置予定場所の裏側にガス栓やコンセントがあると、専用台の奥に隠れてしまって抜き差しができなくなることがあります。メンテナンスや緊急時のために、アクセスしやすい位置に配置するか、延長コード等で対応できるか確認しましょう。
  • 搬入経路の幅と高さ:本体サイズ+10cm程度の幅が、玄関、廊下、そして洗面所のドアを通りますか?特に9kgタイプは大きいため、室内ドアを蝶番から外さないと入らないこともあります。階段の折り返し地点なども要注意ポイントです。

これらは、設置当日に「入らない!」となって工事キャンセルになる典型的なパターンです。不安な場合は、必ず事前に専門業者による現地調査(下見)を依頼してください。多くのガス会社や設置業者は無料で見積もり・調査を行ってくれます。

乾太くんの容量や寸法に関するまとめ

乾太くんの容量や寸法について、カタログだけでは見えにくいポイントを解説してきました。大切なのは、単に「置けるかどうか」という物理的な可否だけでなく、「毎日ストレスなく使えるか」というユーザー視点でサイズを選ぶことです。

  • 容量は「大は小を兼ねる」。設置スペースと予算が許すなら8kg以上が機能面でもおすすめ。
  • デラックスとスタンダードでは「必要な離隔距離」や「フィルター位置」が違うため、設置場所に応じて選ぶ。
  • 縦型洗濯機の「蓋の高さ」と「専用台の高さ」の干渉は、最大のトラップ。必ず実測を。
  • 扉の開閉スペースや、排湿管の立ち上がり寸法、水栓位置など、周辺環境も忘れずに計算する。

しっかりと計測してシミュレーションすれば、乾太くんは間違いなく家事を劇的に楽にしてくれる最高のパートナーになります。サイズ選びという最初のハードルを乗り越えれば、その先には「洗濯物がすぐ乾く」という感動的な体験が待っています。

この記事が、あなたの快適な「ガス乾燥機のある暮らし」の第一歩になれば嬉しいです。

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