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乾太くんの設置はマンションでも可能?費用や条件を徹底解説

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※本記事は一般的な情報を基に執筆しています。設置工事の可否や正確な費用、ガスの契約種別による料金については、必ずお住まいの地域の専門ガス会社や施工業者にご確認ください。

「マンションだから乾太くんは諦めるしかないのかな」「壁に穴を開けられないし、どう設置すればいいんだろう」と悩んでいませんか。毎日の洗濯物が劇的に楽になると話題のガス衣類乾燥機ですが、集合住宅への導入となるとハードルが高く感じるのは当然のことです。

私自身、マンション住まいの方から「ベランダには置けるの?」「工事費用はどれくらい?」といった相談をよく受けます。実は、工夫次第でマンションでも乾太くんのある暮らしは実現可能です。

この記事では、後悔しないための設置条件や、費用を抑えるための具体的な方法について、私の経験を交えて分かりやすく解説していきます。

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記事のポイント

  • マンションの管理規約や消防法による設置制限のチェックポイント
  • 壁に穴を開けずに排湿するための窓パネル活用のメリットとデメリット
  • 工事費込みの総額目安と見積もりを取る際の注意点
  • 本体をAmazonで購入して費用を抑える裏技と業者の探し方

乾太くんの設置をマンションでする前の確認事項

戸建てとは違い、マンションでの設置には「自分だけの判断では決められない」という難しさがあります。購入してから「置けなかった!」となっては目も当てられません。

まずは、物理的なスペースの問題から法的なルールの問題まで、クリアすべき条件を一つずつ確認していきましょう。

管理規約で設置不可となるケースと対策

マンションに乾太くんを導入しようとした際、最初にぶつかる最も大きな壁が「管理規約」と「共用部分」の壁です。ここは技術的にクリアできても、ルールとしてNGであれば即アウトになってしまう非常にデリケートな部分です。

まず大前提として、乾太くんはガスを燃焼させて熱を作り出し、その際に発生する湿気を含んだ排熱を屋外へ捨てる必要があります。

戸建てであれば壁に直径8cm〜10cm程度の穴(コア抜き)を開けて排湿管を通すのが一般的ですが、マンションの場合、外壁のコンクリート躯体は「共用部分」に該当します。

たとえ自分の部屋のベランダに面している壁であっても、区分所有者が独断で穴を開けることは、ほぼ全てのマンションの管理規約で厳しく禁止されています。

「じゃあ、ベランダに本体を置けばいいんじゃない?」と考える方も多いのですが、ここにも落とし穴があります。ベランダ(バルコニー)は、専有部分のように思えますが、法律上は「専用使用権のある共用部分」です。

そして何より、消防法における「避難経路」としての役割を担っています。火災などの有事の際、隣の部屋へ逃げるための「隔て板(蹴破り戸)」の前や、下の階へ降りる「避難ハッチ」の上に物を置くことは、消防法および多くの自治体の火災予防条例で禁止されています。

申請時のポイント

管理組合や管理会社へ相談する際は、単に「置きたい」と伝えるのではなく、「壁に穴は開けません(窓パネルを使用します)」「避難経路の有効幅員(一般的に60cm以上)は確保します」といった具体的な対策案を添えて申請書(専有部分修繕工事申請書など)を提出することが重要です。特にリノベーションを伴う場合は、早めの合意形成が必要です。

また、一部のタワーマンションや内廊下設計のマンションでは、気密性が極めて高く設計されているため、強力な排気を行う乾太くんを使用すると室内が負圧(気圧が下がった状態)になり、玄関ドアが開かなくなったり、レンジフードから排気が逆流したりする問題も発生します。

このような技術的な懸念から、規約で「排気を伴うガス機器の増設禁止」が明記されているケースもあるため、必ず事前に「リフォーム細則」や「使用細則」まで目を通すようにしてください。

ベランダや室内の設置に必要な寸法とスペース

設置場所を決める際は、単に「本体が置けるスペースがあるか」だけでなく、安全に稼働させるための「離隔距離」と「メンテナンススペース」の確保が必須です。ギリギリ入ったとしても、その後の使い勝手や安全性に問題が生じては意味がありません。

まず、乾太くん本体には、火災予防条例に基づいた可燃物からの離隔距離が定められています。機種によって多少異なりますが、一般的に「上方4.5cm以上、左右4.5cm以上、後方0cm以上」の空間を開ける必要があります(デラックスタイプなど一部機種では上方・左右3cm以上の場合もあり)。もし、設置予定場所の両サイドに壁や収納棚が迫っている場合は、防熱板の設置が必要になることもあります。

確認項目必要な寸法の目安注意点
本体サイズ幅約65cm × 奥行約60cm機種(kg数)により奥行きが異なる
離隔距離上部・左右 4.5cm以上消防法基準。防熱板で緩和可能
前方スペース扉全開 + 人が立つ場所約60cm〜80cm程度確保したい
ベランダ手すり高さ1.1m以上落下の危険性防止のため必須
避難通路幅60cm以上自治体により75cm等の指定あり

特に見落としがちなのが、高さ方向の制約です。室内設置の場合、多くの家庭では洗濯機の上に専用台(高タイプ)を使って設置することになります。

この時、乾太くん本体の上部排湿口から天井までの間に、排湿管を曲げるためのスペース(約20cm〜30cm)が必要です。また、洗面所によくある「洗濯機上の吊り戸棚」が邪魔で入らないというケースも多発しています。

この場合、吊り戸棚を撤去するか、あるいは移設するリフォームが必要になります。

ベランダ設置の場合は、雨風を防ぐために「軒下(雨線内)」であることが望ましいです。もし雨が吹き込む可能性がある場合は、オプションの「本体保護カバー」を必ず使用してください。電子基板やガス燃焼部は水に弱いため、故障の原因となります。

窓パネルを使えば壁に穴を開けずに排湿可能

マンションにお住まいの方にとって、まさに救世主と言えるのが「窓パネルセット」の活用です。これは、私が相談を受けるマンション案件の9割近くで採用されている方法です。

仕組みは非常にシンプルで、窓のサッシ枠の高さに合わせて伸縮するパネルをはめ込み、そのパネルに設けられた穴に排湿管を接続するというものです。これにより、コンクリート壁に一切傷をつけることなく、室内の湿気を屋外へ排出することが可能になります。

原状回復も容易なため、分譲マンションだけでなく、大家さんの許可さえ下りれば賃貸物件でも導入できる可能性があります。

窓パネル導入時の注意点と対策

  • 窓の機能制限:パネルを設置した側の窓は固定され、開閉できなくなります。反対側の窓は開閉可能ですが、有効開口面積が減るため、換気能力が少し落ちる点に注意が必要です。
  • 防犯性の低下:窓のクレセント錠(鍵)が掛からなくなります。そのため、サッシのレールに取り付ける「補助錠(ウインドロックなど)」を上下に設置し、物理的に窓が開かないように固定する対策が必須です。
  • 断熱と隙間風:窓パネル自体は樹脂やアルミの単板構造であることが多く、ペアガラスなどに比べて断熱性が劣ります。冬場はパネル付近から冷気が伝わってくることがあります。また、窓とパネルの隙間、レールの隙間から虫が侵入するリスクもあります。

これらのデメリットに対しては、隙間テープ(モヘア付きのもの)を入念に貼る、排湿管の接続部をアルミテープでしっかりと気密処理する、といったDIYレベルの工夫でかなり改善できます。

また、排湿管の出口には「ダンパー付排湿口ガイド」を採用することを強くおすすめします。これは、乾燥機が動いている時の排気圧でフタが開き、停止時はフタが閉じる仕組みになっており、外気の逆流や虫の侵入を物理的にシャットアウトしてくれます。

オール電化でもガス契約すれば導入できる?

「うちはオール電化マンションなんですが、乾太くんを入れられますか?」という質問もよくいただきますが、残念ながら結論としては「マンションの場合は極めて困難、事実上の不可能」と言わざるを得ません。

戸建て住宅であれば、オール電化であっても、乾太くんのためだけにプロパンガス会社と個別契約を結び、家の裏にガスボンベを設置すれば導入可能です。しかし、マンションの場合は事情が異なります。

  1. ガスインフラの欠如:オール電化マンションは、建物全体にガス配管が敷設されていません。自分の部屋までガス管を引くことは、共有部の大規模な工事を伴うため現実的ではありません。
  2. ボンベ設置の禁止:「ではベランダにプロパンボンベを置けば?」と考えるかもしれませんが、高圧ガス保安法や消防法、そしてマンションの管理規約により、ベランダ等の共用部にプロパンガスボンベを設置することは、安全管理上認められないケースが大半です。ボンベの搬入経路(エレベーターや階段)の問題もあります。
  3. カセットボンベ等は不可:乾太くんはパワフルな熱源を必要とするため、カセットコンロ用のボンベなどで動かすことはできません。

唯一の例外として、ベランダにガス給湯器が設置されているタイプのマンション(オール電化ではない物件)で、キッチンがIHクッキングヒーターになっているような「ガス併用」のケースであれば、ベランダの給湯器からガス管を分岐させることで比較的容易に導入できます。ご自宅の給湯システムがどうなっているか、一度確認してみてください。

防水パンや洗面所の狭さを克服する工夫

日本のマンションの洗面脱衣所は、スペースが限られていることが多く、洗濯機防水パン(洗濯パン)の存在が乾太くん設置の邪魔をすることが多々あります。

具体的には、「専用台の脚を置きたい場所に、防水パンの盛り上がったフチがある」「排水口が邪魔で脚が置けない」といった問題です。

しかし、ここで諦める必要はありません。いくつかの設置パターンを検討することで、狭いスペースでも設置できる可能性は十分にあります。

防水パン攻略の3つのパターン

  1. 防水パン跨ぎ設置:専用台(高タイプ)の脚を、防水パンの「外側」の床に設置する方法です。これが最も安定します。ただし、防水パンと壁の間に、脚の幅+クリアランスとして左右それぞれ3cm〜5cm程度の隙間が必要です。もし隙間がない場合は、この方法は使えません。
  2. 防水パン内設置:防水パンの内側のフラットな面に脚を置く方法です。パンのサイズが大きく、今の洗濯機を置いても四隅に十分なスペースがある場合に有効です。ただし、ドラム式洗濯機などはサイズが大きく、スペースが足りないことが多いです。
  3. 特殊施工(かさ上げ・交換):「マルチメゾン」のような洗濯機かさ上げ台を利用して、洗濯機と防水パンの間にスペースを作り、そこに専用台を設置する方法があります。また、リフォーム業者に依頼して、防水パン自体を「フラットタイプ」に交換したり、一度防水パンを撤去して排水トラップのみにする工事を行うことで、物理的な干渉を解消することも可能です。

また、狭い場所での使用において最も重要なのが「機種選び」です。洗濯機の上に設置する場合、フィルターが庫内の奥にある「スタンダードタイプ」だと、毎回踏み台に乗って手を伸ばさないとフィルター掃除ができません。

これは毎日のことなので想像以上にストレスになります。一方、「デラックスタイプ」はフィルターが扉の内側(手前)にあるため、踏み台なしでサッと掃除ができます。

マンション設置で高所に置くなら、絶対にデラックスタイプを選ぶべきです。これは私の経験上、強くお伝えしたいポイントです。

乾太くんの設置費用をマンションで抑える方法

乾太くんの導入で一番頭を悩ませるのが費用面です。「見積もりを取ったら40万円と言われた」という話も珍しくありません。なぜそんなに高くなるのか、そしてどうすれば安く抑えられるのか、業界の裏事情も含めて解説します。

工事費込みの費用相場と見積もりの内訳

マンションで乾太くんを新規設置する場合の総額は、一般的に20万円〜35万円程度が相場です。設置条件が厳しい場合や、特殊な部材が必要な場合は40万円を超えることもあります。

費用の内訳項目費用目安(税込)備考
本体価格(デラックス6kg)12万〜15万円定価の20%〜30%OFFが一般的
専用台(高タイプ)2万〜3万円リンナイ純正品など
排湿管セット・部材2万〜4万円窓パネル、ダンパー付排湿口など
標準設置工事費4万〜6万円本体設置、組立、試運転
ガス配管工事費3万〜10万円※最大の変動要因
特殊工事費1万〜3万円ガス栓増設、コンセント工事など
総額目安24万〜41万円

この中で最も金額差が出るのが「ガス配管工事費」です。洗面所にガス栓がすでにある(昔のガス暖房用など)というラッキーな物件であれば、数千円のガスコード接続だけで済みますが、多くの場合は給湯器やキッチンからガス管を分岐して引っ張ってくる必要があります。

マンションの場合、壁の中に配管を隠す「隠蔽配管」はリノベーション時以外は難しいため、壁や天井の隅をはわせる「露出配管」となり、配管距離が長くなるほど部材費と工賃が上がります。

また、モール(配管カバー)を使って綺麗に仕上げるための化粧工事費も加算されます。見積もりを見る際は、単に「工事費一式」ではなく、ガス工事の内訳がどうなっているかをしっかり確認しましょう。

騒音や振動トラブルを防ぐ防振ゴムの効果

集合住宅で乾太くんを使う際、避けて通れないのが「音と振動」の問題です。乾太くんはモーターでドラムを回転させ、ファンで風を送り、ガスを燃焼させるため、洗濯機の脱水時のような低音の振動や、ゴーッという排気音が発生します。

ご近所トラブルを未然に防ぐために、以下の対策を強くおすすめします。

  1. 防振ゴムの導入:専用台の脚の下に、洗濯機用の防振ゴム(例:「あしあげ隊」や「ふんばるマン」など)を敷くことで、床に伝わる振動を劇的に軽減できます。これは数百円〜数千円でできる費用対効果の高い対策です。
  2. 静音フードの採用:ベランダ設置の場合や、排湿口が隣の家の窓に近い場合は、オプションの「静音フード」を取り付けることで、排気音を低減できます。
  3. 運転時間の配慮:ハードウェアの対策も重要ですが、やはり「深夜・早朝には使わない」という配慮が一番です。特に寝室が隣接しているような間取りの場合は、夜10時以降の使用は控えるなどの自主ルールを設けると安心です。

リンナイの公式サイト等でも、製品の運転音(dB)についてのデータが公開されていますが、実際の響き方は建物の構造に依存します。

事前の挨拶などで「乾燥機を導入するので、もしうるさかったら言ってください」と一言伝えておくだけでも、トラブルのリスクは大きく下がります。(出典:リンナイ株式会社『乾太くん公式サイト』

専門業者とDIYのリスク・保証の違い

YouTubeやブログなどで「乾太くんをDIYで設置しました!」というコンテンツを見かけることがありますが、ガス機器の設置工事を無資格者が行うことは法律で固く禁じられています。

具体的には、ガスの接続(特に金属管や強化ガスホースの接続・分岐工事)は「液化石油ガス設備士」や「ガス可とう管接続工事監督者」などの国家資格が必要です。もしDIYで設置してガス漏れ事故や火災が発生した場合、以下のリスクがあります。

  • 刑事罰の対象:法令違反として処罰される可能性があります。
  • 保険の不適用:重大な過失とみなされ、火災保険が下りない可能性が高いです。
  • メーカー保証対象外:故障した際、「認定施工店による設置ではない」という理由で、保証期間内であっても有償修理、あるいは修理拒否となる場合があります。

ユーザー自身が行っても良いのは、「窓パネルの組み立て(ガス接続を除く)」「専用台の組み立て」「フィルター掃除」までです。ガス栓への接続や排湿管の固定などは、必ずプロの業者に依頼してください。家族の命と財産を守るための必要経費と考えましょう。

本体はAmazonで購入し工事のみ依頼

「でも、やっぱり少しでも安くしたい…」という方への裏技的アプローチが、「施主支給(せしゅしきゅう)」です。これは、乾太くん本体専用台、窓パネルなどの部材を、Amazonや楽天などのネット通販で自分で安く購入し、取り付け工事だけを業者に依頼する方法です。

通常、ガス会社やリフォーム会社の見積もりでは、本体価格が定価の10%〜20%OFF程度になっていることが多いですが、ネット通販なら30%〜40%OFFで購入できることも珍しくありません。例えば、本体価格だけで3万円〜5万円の差が出ることもあります。

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施主支給を成功させるためのステップ

  1. 業者探しが最優先:
    まず、本体を買う前に「施主支給での工事に対応してくれる業者」を探します。地元のガス工事店や、「くらしのマーケット」「ミツモア」などのマッチングサイトを利用するのが近道です。大手ガス会社は施主支給を断るケースが多いです。
  2. 品番の確認:
    業者が見つかったら、購入予定の型番(都市ガス12A/13A用かプロパン用か、右開きか左開きか等)や、必要な部材(ガスコードの長さ、排湿管の直径)を必ず事前に確認してもらいます。買い間違いを防ぐためです。
  3. 保証区分の理解:
    「本体の初期不良は販売店(ネットショップ)の対応」「工事の不備は施工業者の対応」と、責任の所在が分かれることを理解しておきましょう。

この手間を惜しまなければ、総額を数万円単位で節約できる可能性があります。ただし、何かあった時の窓口が一本化されないというデメリットもあるため、安心をお金で買うなら「材工共(材料と工事をセット)」で依頼するのが無難です。

乾太くんの設置はマンションでも実現可能

ここまで見てきたように、「乾太くんをマンションに設置」というプロジェクトには、戸建てにはない多くのハードルが存在します。管理規約の確認、スペースの計測、防水パンの攻略、そして費用の捻出。決して「買ってきてコンセントを挿すだけ」の家電ではありません。

しかし、窓パネルの活用や信頼できる施工業者との連携によって、多くのマンションで導入が可能であることも事実です。そして何より、導入した後に待っているのは「洗濯物が1時間でふわふわに乾く」「干す・取り込む手間がゼロになる」「コインランドリー通いから解放される」という、革命的な生活の変化です。

私自身、乾太くんのない生活にはもう戻れません。初期費用や手間はかかりますが、その投資に見合うだけの価値は間違いなくあります。まずは諦めずに、管理組合への確認と、専門業者への現地調査依頼(見積もりは無料のところが多いです)から一歩を踏み出してみてください。あなたのマンションライフが、乾太くんでより豊かで快適になることを心から応援しています。

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